オーストラリア
どれだけ叱られても、食らいつく 夢があればどんな壁も越えられる
Profile
K.I.さん
- 渡航先
- ニューサウスウェールズ州
- 学校
- TAFE NSW-NSI
- 在住都道府県
- 千葉県
夢は父を超えるシェフ 1日13時間の猛勉強でオーストラリアへ
私の夢は、「父を超えるシェフになり、自分の料理で人を幸せにすること」です。そのために、海外で世界の料理を学びたいと思っていました。また、高校時代にさまざまな社会人の方の話を聞く中で、英語の重要性を痛感し、海外進学によって日本では得られない経験も出来るのではと考えるようにもなりました。両親の後押しもあり、高2の夏くらいから海外進学への思いが高まっていきました。 高3の5月頃からは具体的に準備を始めました。英語力を高めるための教室や教材を探して出会ったのが、ベネッセのGLC(Global Learning Center)です。当初は、オンラインでの英会話に違和感がありましたが、試してみるとネイティブの先生と会話をする時間が長くとれると感じ、GLCに決めました。ただ、最初の2~3ヶ月はレッスンが終わると毎回泣いていました。学校では、成績に応じたクラス分けでずっとトップのクラスを保っていたので、少々天狗になっていたところがあったのですが、その鼻をへし折られたのです。自分の見たことがなかった世界を突きつけられたショックで、もうやめようと何度も思いました。卒業後はなるべく早くTAFEに入りたかったのですが、夏休み前の時点では、カウンセラーさんにも「今の英語力では無理だ」と言われていました。それが悔しくて、GLCでは授業以外に月曜日の夜に設けられているフリータイムには必ず参加をし、夏休みは毎日13時間くらい勉強しました。 留学先については、「留学=アメリカ」というイメージが強く、当初はアメリカに行きたいと考えていました。しかし、ベネッセの海外進学サポートでカウンセラーさんに相談する中で、オーストラリアのTAFEでCookeryを専攻するという進路を知りました。最初は気が進まなかったのですが、自分でも色々と調べるうちに、世界の料理の専門的な技術を身につけながら英語でのコミュニケーション能力を磨けるのは自分に最適な道だと思うようになり、このルートに決めました。
つらい時に相談できる仲間が支え 英語力の向上は自分次第
夏休みの猛勉強の甲斐もあり、4月に渡豪後、3ヶ月の英語学校を経て、7月からTAFEにCookery専攻として入学をすることが出来ました。とても良い環境で、わくわくした気持ちでこちらの生活を始めました。慣れないこともありますが、GCAの日常生活へのサポートや仲間の支えがあることは大きいです。以前は、「なるべく日本人とかかわらない方が英語は上達するのではないか」と思いこんでいましたが、こちらに来て目的意識を持った魅力的な仲間に出会い、つらい時には彼らに日本語で相談できることはとても有り難いことだと実感しています。GCAでも、日本人の仲間がいながらも英語をしっかり話して進学している先輩も何人もいるので自分次第だと思うようになりました。
出来ないことも多い実践の毎日 「やる気」だけは誰にも負けない
TAFEでの授業はハードです。授業は週に2回、13時から14時がセオリー(理論)、14時から15時がブレイク(休憩)、15時から21時までがプラクティカル(実技)です。プラクティカルは、実際のレストランの厨房に近い設備の教室で、シェフである先生の指示を聞いて料理を作ります。まず、フランス語を語源とするような料理用語も含まれた早口の英語の説明を聞きとるのが大変です。かつ、クラスメイトは、2~3年以上は経験があるような現役のシェフばかり。サーティフィケートをとるために通っている人も多くいて、プラクティカルでは自分だけ置いていかれているような状況です。 なるべく多くの経験を積みたいと思い、授業のない日にはイタリアンレストランの厨房でアルバイトも始めました。洗い物をするキッチンハンド、サラダを作るサラダハンドという役割を担っていますが、現地でも人気のレストランで、混んでいる時の厨房は戦場のような忙しさです。ひっきりなしに伝票が来て、1つのことをしているとシェフからまた別の指示が飛び、最初の作業が滞っているとまた叱られて、というありさまです。父が以前から、「シェフは賢くないと出来ない」と言っていましたが、その通りだと実感しています。 周囲と比べてまだ出来ないことばかりですが、やる気と情熱だけは誰にも負けないようにしています。「自分は全然ダメです」という後ろ向きの態度では、ますます誰も助けたくなくなると思うので、叱られても、帰れと言われても、「やらせてください! 頑張ります!」と、がむしゃらに、歯をくいしばりながらでも食らいついていきたと思うのです。そうすると、チャンスは与えてもらえますし、学校のクラスメイトも応援して助けてくれます。 自分がこのように頑張れているのは、「父を超えるシェフになる」という夢があるからだと思います。つらいことが多くても、これは夢へと登る坂の途中だと思えるのです。TAFEへの7月入学の壁もとても高いものでしたが、あきらめないで挑戦したことで乗り越えることが出来ました。今感じている壁も、後から振り返れば「ああ、こんなものだった」と思えるようになるはずです。応援し、支えてくれる家族や仲間がいて、このように勉強ができていることへの感謝の気持ちも忘れずに、自分で選んだこの道で成長した姿を見せられるよう、前進していきたいと思います。