現地レポート
留学中の先輩たちが、日本と海外の生活の違いや、大学の授業やホームステイ先での生活など、現地の様子をお伝えします。
先輩体験談「コロナ禍の留学、学校の対応、今思うこと」VOL.2
徐々に明るい兆しが見え始めているコロナ禍。各国の留学状況は国によってはかなり改善してきています。今回は、アメリカで半年間の語学学校を経て、21年9月からコミュニティカレッジに進学した先輩に、コロナ禍での留学生の生活の実態・学校の対応などのリアルな情報や、「今」の価値観を、あらためて語っていただきました。
Naoki H. 先輩
アメリカ・カリフォルニア州 サンタローザジュニアカレッジ(Santa Rosa Junior College)
Q. つい最近卒業された語学学校の対応はどのように行われ、しくみが整備されていましたか?
A. 全米で数少ない「対面授業実施」の語学学校だったんです!
僕の行っていたテキサスのELS(語学学校)はコロナ禍でもオンラインではなく対面授業をやってくれる学校だったんです!
ある日、全校生徒が集められ、先生から「実はアメリカで対面授業をやっているのは珍しいんです。なので心配なことがあると思うけど、このままやっていきたい、みんなはどう思いますか?」という内容のスピーチがあったんです。
その理由は、お話を聞く限り先生の「語学は対面で学ばせてあげたい」という意気込みが強くてオンラインをしていない、ということだったようです。僕自身に関しては、危険を感じるというよりは英語を学習しに来て、直接手をあげたりトークできるわけですから、その点では嬉しいという気持ちが大きかったです。
コロナ対策としては、きちんとされていたと思います。中でもマスクと消毒には力を入れていました。マスクについては、アメリカは学生がワクチンを打つことは主流だったので、ワクチンを打つまでは必須。2回まで打つと、マスクを着用しなくてよいことになっていました。消毒については 、エレベーターの前や教室内など、消毒液がどこにでも置いてあり、学生は都度消毒していたという状況です。
Q. コロナ禍で進路決定するとき、なにか影響はありましたか?
A. 正直、僕自身はコロナ影響はさほど感じませんでした
今は日本でも学生のワクチン接種がかなり進んでいると思いますが、去年から今年の初めにかけては、ワクチンを打っていないから…と留学を迷う人もかなり多かったのではないでしょうか。
僕が渡米したのは21年4月の末時点でしたが、まずはワクチンを打たずに渡米しました。アメリカでは、例えば薬屋さんに予約なしで入って「お願いします」「はいわかりました」という感じで簡単にワクチンを打つことができました。特に人種も関係なく、すごく簡単にワクチンを接種できる状況が整っていました。
またコロナの影響をさほど感じず、2021年8月末から、行きたかったコミュニティカレッジに行けることになりました。他の人を見ても、この学校や地域に行くと不安、という理由で学校を決めるということはあまりなかったかなと思います。
また、アメリカ全体を見ても、学校ごとにオンラインにする・しないは変わりますが、「閉鎖」などの厳しい制限はないと思います。ワクチン接種が進んでいるぶん、留学生に学年の途中で帰国勧告が出る、というような確率は限りなく低いだろうなと感じます。ですので、影響はいろいろあるのかもしれないですが、僕にとってネガティブイメージや不便になることは感じていません。
Q. コミュニティカレッジの授業は、対面とオンライン、どういう割合で受けていますか?
A. 対面の授業は1つ。そのほかはオンライン授業です
僕の学校の留学生は、必ず1つ以上は対面の授業を選択するという決まりがあります。全てオンラインではダメで、全て対面はOKです。僕はそれに従って、英語の ESL という対面の授業を1つ取っています。それ以外はビジネスに関する授業などを受けていますが、全てオンラインにしました。
自分で時間をアレンジしたり、時間が決まっている授業でも、自分でやらなきゃいけないという適度なプレッシャーもあり、オンラインの授業は意外とやりたいという人が多いです。
僕がオンライン授業を多めに選択している理由は、英語力取得のための時間を作りたいなと思ったのが大きいです。
全て対面にしてしまうと、一番ネックになるのは学校に行くまでの時間です。アメリカは通学時間がわりとかかる場合が多いので、ほとんどの学生は車で登校しています。車を持っていない僕は、すべて対面だと学校行って帰って…を繰り返さなければならないので、オンライン授業をかなり便利に活用しています。
また、授業時間以外で身の回りの英語に触れ合う時間もたくさん作れます。僕は将来ホテルマンになりたいと思っているので、最近他の言語(韓国語と中国語)を独学で学び始めました。授業や宿題に追われるということもなく「この授業の後に中国語の勉強をしようかな」などのアレンジができる。そういう強みを考えるとオンライン授業もいいと思います。
Q. オンラインが多めでも「渡航をする」というメリットはどこにあると思いますか?
A. 現地に身を置いて生活すること自体が学びだと思っています
「アメリカでオンラインの授業を受けるなら、日本で受けるのと同じじゃない?」と考える方は多そうですが、全く違います‼︎
自分の一日のスケジュールを考えると、全てが学校の授業ではありません。例えば外に散歩に行ったりカフェに行ったり友達と遊んだり…そういうことが全て英語で行われると考えると、オンラインだけの目的だととてももったいないと思います。
僕が住んでいるカリフォルニアの街もだいぶ落ち着き、withコロナに慣れてきています。お店に入るときにマスクをするぐらいです。
今日も僕はスターバックスで、期間限定のかぼちゃのドリンクを英語で注文。アメリカ人が
“Hey, How are you doing?”と自然に話しかけてくれたりして、「やっぱりアメリカ、こういう機会がたくさんあるんだな」と実感しました。そして、よく行くスーパーの人とは顔見知りです。授業だけではなく身の周り全てが英語。そこに身を置いて「生活」することはとても大きなメリットだと感じます。
コロナを逆手にとっているようですが、オンライン授業と対面とをアレンジメントできるという今の状況は、僕にとっては自然なこと。入学してからずっとこの状態だったこともありますが…アメリカの生活そのものを楽しむきっかけにもなっています。
Q. 日本は未だにこの先が見えづらい状況です。今日本の中・高生は何をしておくのがおすすめですか?
A. 夢ややりたいことに対して、なんらかアクションを!
アメリカ留学はコロナであろうと何があろうと、ひと言で言ってしまえば楽しいです!なぜかというと、僕自身が行きたいと決めたことだから。自分で考えたことはやはりやるべきです。ですがやはりコロナの危険性やワクチンの副反応などを考えている方もいると思います。自分で決めたことでもコロナという壁が立ちはだかる。
そんな中自分の夢を果たし叶えるためにも、何をしなければいけないのかを考えてみてください。
例えば、一番の目標は英語を勉強する事だと思います。ただし、テストで点を取るために勉強する、は少し違うと思います。
僕にとって言語は、将来ホテルで働くことを見据えて、自分の見解を広げたり今はしゃべれない人たちとしゃべれるようになるために学ぶもの。例えばスターバックスに入ってコーヒーを頼むとします。頼む英語は生活の中で日頃から聞いて覚えて日常的に使う。日本人が日本語を覚えるプロセスと同じです。
僕はそのように英語を学びたくて、アメリカに来ています。
コロナの不安もあるかもしれませんが、あなたも、自分の夢やしたいことを叶えるために、言語を勉強し始めたり、なにか行動してみてください。頑張ってくださいね!
留学先の現地でコロナ禍を経験したからこそ語れる、先輩のリアルなお話はいかがでしたか?
一見逆境では、ととらえてしまいそうな環境を自然に受け入れ、オンラインで生み出した時間をさらなる学びに使ったり、やりたかった「英語づけ」の生活を思いきり楽しんでいるNaoki先輩。そのポジティブなマインドはとても参考になりますよね。
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※この記事でご紹介している内容は2021年9月30日現在の情報に基づいています。
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