アメリカ
自ら動いて学んだアメリカ留学の先に 日本での新たな夢が見えた
Profile
N.S.さん
- 渡航先
- カリフォルニア州
- 在住都道府県
- 千葉県
- 渡航時の学年
- 高校卒業後
映画、美容への関心を突き詰め 「コスメトロジー」の専攻に出会う
中学時代から英語が好きで、海外に行きたいという気持ちがありました。高校は国際科のある高校に進学。スウェーデンやフィリピンなどの多彩な国からの帰国子女やALTの先生が多い環境で、海外について考えたり、英語に触れたりする機会も多かったです。もう1つ好きだったのは映画です。将来は映画産業が盛んなアメリカで映画関係の仕事をしたいという夢も重なり、高校卒業後にアメリカへ留学する道を考え始めました。 ベネッセのカウンセリングを受けながら、両親と話したり、映画にかかわる仕事や学問を調べたりする中で、自分は映画の美容関係の仕事をしたいのだと気づきました。そして見つけたのが、コスメトロジー(Cosmetology)です。コスメトロジーとは、アメリカで仕事をする上で必要な「ヘアー、メイク、ネイル、エステなどの美容に関する資格」です。コミュニティーカレッジ(コミカレ)で1600時間授業を受けることで、免許の受験資格を取得できます。コミカレは8時から5時までクラスの生徒が全員一緒に同じ教室で学ぶスタイルで、アメリカ人のクラスメイトと交流を深めながら英語で美容の基礎を学べる環境にも惹かれ、志望を決めました。
現地での見学や情報収集により 最適のコミカレに進学
高校卒業後すぐに留学をして、サンタモニカの語学学校に5ヶ月通いました。スピーキングに不安がありましたが、間違えても大丈夫という雰囲気だったので安心して積極的になれましたし、苦手だった文法についても英語で勉強する方がむしろ分かりやすいと感じるほどでした。 コミカレについては、日本にいる間に、College of San Mateoと、もう1校、別の学校に出願していました。語学学校に通いながら、見学をしたり、知り合いに話を聞いたりする中で、サンフランシスコにあるCollege of San Mateoの方が留学生も少なく充実した授業を受けられそうだと分かり、進学を決めました。留学先で頼れるのは自分だけです。「知らなかったから行けなかった」などとならないよう、自分が動くしかないと積極的に情報を集めていました。進学したコミカレは立地も含めて私にとても合っていて、現地で実際の雰囲気などを見て選んだことはよかったと思います。
人種によって異なる 肌や髪のケアを実践で学ぶ
2012年の秋にCollege of San Mateoへ進学をしました。2年間で修了する人が多いのですが、私は1年間はコスメトロジーに専念する必要があり、1年目と3年目をジェネラル、2年目をコスメトロジーの専攻として、3年間通います。1年目の英語の授業では、他の留学生同様、エッセイが終わらずに徹夜をすることも何度もありました。大変でしたがチューターのサポート制度もありましたし、「帰りたい」と思ったことは一度もありません。 2年目から、コスメトロジーの専攻になりました。私以外は皆ローカルのアメリカ人で、自分より年下、かつ、美容専攻ならではの派手な外見のクラスメイトも多く、最初の1週間は「誰と友だちになればいいのだろう」ととても不安でした。先生も厳しかったのですが、クラスメイトが英語の分からない私に丁寧に教えてくれるなどとても優しく助けてくれて、結果的にはコミカレで一番楽しい1年間となりました。授業は、前期は講義が中心、後期からは実習が中心でした。毎週水~金曜には、カット、カラ―、パーマ、ワックスなどを実際のお客様に格安価格で提供しながら勉強させていただくサロンを開く取り組みがありました。サンフランシスコという土地柄、さまざまな人種の方のヘアケアをさせていただけた体験はとても貴重でしたし、コミュニケーション能力を磨く場にもなりました。私が日本人の留学生だと知ると、応援してくださる方もたくさんいました。4人1組で行ったプロジェクト型の授業は最も心に残っている授業です。1人をモデルとして、各グループ決めたテーマに沿ったヘアメイクを施してプロのカメラマンが撮影します。私のグループのテーマは「アバター」でした。約3週間、学んだ基礎を生かしながら皆で悩みながら創造していく過程は、自分の目指す美容を考える時間にもなりました。 美容の科目以外でも、アメリカの歴史やネイティブアメリカンについて学ぶ民俗学の授業は、毎週、待ち遠しい時間です。美容以外のアメリカならではの授業を受けられることは、自分の人生を豊かにする上でとても有益なことだと感じています。現在は、友だちと3人でアパートをシェアして住んでいます。サンフランシスコ周辺は、家賃や物価が高いのが悩ましいところですが、日本の食材も入手しやすいですし、今は車も運転できるので不便は感じていません。 卒業後は、アメリカでの1年間のOPT(オプショナル・プラクティカル・トレーニング)を終えたら、日本で働きたいと考えています。アメリカの生活を経て「日本人としての私」をより強く意識するようになり、日本での経験も深めたいと思うようになったのです。アメリカで身に付けた英語力や、さまざまな方の肌や髪の毛に触れてきた経験を生かして、世界への発信力も持つメイクアップブランドで活躍できるような人になりたいという新たな目標が出来ました。