アメリカ
人が温かいアートな街「好き」を求めて巡り合えた学び舎
Profile
K.W.さん
- 渡航先
- ミシガン州
- 在住都道府県
- 東京都
- 渡航時の学年
- 高校卒業後
フランクな授業環境に惹かれ アメリカで美術を学ぶことを決意
海外進学を考え始めたのは、高校1年生の春休みに行った語学研修がきっかけです。アメリカのロードアイランドで2週間ホームステイをしたのですが、その時に受けたアメリカの授業がとても性に合っていたのです。私は、授業中にたくさん質問をしたくなるタイプで、大人しく聞いているだけというのは苦手です。そのため、高校もなるべくフランクで自由な学校を選びましたが、アメリカのフランクさは格別でした。美術は、中学の頃からずっと習っていました。英語も好きだったので、アメリカで美術を学ぶのは私にとって最適の環境だったのです。 国内の大学も受けてみた方がよいと学校でも言われていたので、国内の美大と外国語系の大学にも合格して自分が本気であることを示し、海外への進学を決めました。好きなことには時間を忘れて没頭するタイプなので両方とも頑張るのは全く苦になりません。 高校が進学校だったために、国内の難関大学に進学した友だちと学校の勉強をしたことが英語の対策になっていました。また、ネイティブの先生や語学に堪能な先生方と、週に数回、英語で話しながらお昼を食べていました。色々な人とつながるのが好きなので、趣味で世界10カ国くらいの相手と文通をしていたのですが、それも力になったと思います。
夜中まで論文に追われても オンとオフは明確に
高校の時は、生徒会、部活の副部長、文化祭や体育祭の実行委員長を務めるなど、色々なものに積極的に手を上げるタイプで、アメリカの大学に進学することにも躊躇はありませんでした。むしろ楽しみという気持ちの方が強く、「エイ!」と来てしまった感じです。ロードアイランドの語学学校で3ヶ月ほど勉強したのですが、その時にはまだどこの大学にいくのか決まっていませんでした。受かっていなかったらどうするつもりだったのでしょうか、怖い物知らずかもしれません。 語学学校の勉強は大変でした。明け方近くまで論文を書き、そのまま寝てしまったことなどもあります。ただ、オンとオフははっきりしていました。金曜日の授業は午前中までで、週末は「遊ぶぞ!」という雰囲気になります。友人関係も、いつも同じグループで行動というよりもその場にいる人と仲良く話すという感じで、私にはとても居心地が良かったです。苦労はありましたが、その都度助けてくれる人がいたのもありがたいことでした。
語学が足りない分、人の倍は頑張る トップ賞でもらった言葉に感激
大学入学を控えた7月に、ミシガンのグランドラピッズへ引っ越しました。周囲に公園がたくさんある美しい街で、自転車であちこち探索するとあっという間に好きになりました。車がないと少し不便ですが、バスはかなり頻繁に走っており、学生は無料で乗れるのでものすごく困ることはありません。学校も、学校が用意してくれる学生用アパートも街の中心部にあり、レストラン、美術館なども徒歩圏内にある恵まれた環境です。 大学にはさまざまなおもしろい専攻がありますが、私はグラフィックデザインを専攻しています。入学し、外観の綺麗さや充実した設備に驚きました。学生が様々な設備を自由に使えるオープンな雰囲気は、治安のいいグランドピッズならではだと思います。 留学生のケアも丁寧で、インターナショナルオフィスには気軽に相談できます。「Friendship Family」という制度を利用して、オフィスに紹介してもらった「グランドピッズでの私の家族」もとても温かい方たちです。週末ごとに買い物に連れて行ってもらったり、冬休みには「1ヶ月泊まっていきなさいよ!」という言葉に甘えて、ご自宅の中の広いスペースを私専用で全部自由に使わせてもらったりしました。 大学の授業では、語学が出来ない分、良い成績をとるには人の倍の努力をするしかないと思って頑張っています。先生方は、それぞれの道で活躍されているだけではなく、優しく気さくな方ばかりで、授業もとてもほのぼのとした雰囲気です。色彩学の授業で良い成績を取れた時があり、「今学期のトップ賞」として先生が色々なアイテムをくださったことがありました。その時にもらったスケッチブックには、温かい言葉が書かれたメモがはさまっていて、本当にジーンとしました。ケンドールは先生が良いということでも有名なのですが、それも納得です。 学校だけでなく、グランドピッズは街をあげてアートに取り組んでいるのもとても刺激になります。国際的にも有名なArt Prizeというイベントの時期には、毎年、2週間ほど街中がアートで綺麗に埋め尽くされ、全国からたくさんの人が訪れます。私も最近コンペティションに応募をしたのですが、その一環でクリスマスの時期にお店のウィンドウをイルミネーションで飾りつけることになりました。そのように街と学校が一体となって創り出す活動も盛んです。タクシーの運転手さん、警察官、買い物をするお店の方など、日常生活の触れ合いで親切にしてもらうことも多々あります。忙しすぎる都会ではない場所に留学したいと思って選びましたが、ここまで素敵なところだとは知りませんでした。学校も街も自分にぴったりの環境に巡り合えて、本当に幸運だと思っています。 将来はグラフィックデザイナーになり、さらにその先は、デザイナーをまとめるアートディレクターになるのが目標です。その実現に向けて、今は、学校やここでの暮らしから良い刺激をたくさん受けながら頑張りたいと思います。