アメリカ
4年制大進学を狙ったコミカレ経由の海外進学
Profile
A.S.さん
- 渡航先
- ワシントン州
ウィスコンシン州 - 在住都道府県
- 茨城県
- 渡航時の学年
- 高校卒業後
留学までの経緯
私が海外の進路を意識し始めたきっかけは、高校二年生の時に校内でふと目にしたアメリカ留学EXPOのポスターでした。実際に留学について何も知らないままEXPOに参加し、ただただそこに集まった米国大学の自由な雰囲気と日本人学生の行動力に感動したのを覚えています。そして、高校主催の一週間の米国大学ツアーでハーバード大学をはじめとする有名大学を見学して周り、それを機にアメリカ留学を本格的に視野に入れ始めました。高校三年では米国コミュニティカレッジ入学を第一希望に確定しましたが、それまでの日本の大学受験勉強を無駄にしたくないという思いや、海外に行っても勉強したことは役立つという考えで、日本の大学受験も並行して続けました。結果、進学することになったGreen River College だけでなく、東京理科大学や明治大学といった大学にも合格することができました。
Green River College(コミュニティカレッジ)を志望した理由
比較的安い学費と自身の英語力、そしてレベルの高い大学への編入率が高いことでした。当時の私は、留学経験も海外在住経験もなかったため英語が堪能というわけではなく、普通の日本の高校生レベルの英語力です。そのため、2年制であるコミュニティカレッジへまず進んで、段階を踏んで四年制大学を目指すというプランは、私でも頑張ればできるかもしれない! と思えるものでした。振り返ってみても、このルートだからこそ努力して四年制大学までたどり着けたのだろうと思います。
四年制大学編入までの二年間について
高校の卒業式からほどなく、私はシアトルでの半年間の語学学校生活を始めました。英語だけでの生活は全く初めてで、クラスのディスカッションでは聞き取るだけで精一杯、会話も楽しむ余裕はなく常に必死でした。日本ではそれなりに英語ができていたつもりでしたが、実際にアメリカに来てみると分からないことばかり、何を言われているかすら分からないことが多々あり、毎日悔しさに潰れまいとただただ勉強しました。時間のある時は図書館から映画を借りてひたすらリスニングの特訓をしたり、簡単な洋書を読んだりしていました。他にもイベントへの参加、ボランティアを通して次第に英語での生活に慣れ、半年後には無事に最高レベルのクラスを卒業することができました。いきなりの英語での大学の授業が不安であったために通った語学学校でしたが、単に英語力がついただけではなく、新しい環境での適応力と精神力も鍛えられたため、語学学校に通って本当に良かったと思っています。 そして語学学校卒業後、9月からついにGreen River College(以下、GRC)に入学しました。GRCは他大学と比べても高い留学生の四年制大学編入合格率を誇っており、編入先も州内に限らず有名なカルフォルニア大学群にも毎年生徒を送っています。そうとはいえ、州外の有名大学編入に成功する留学生は成績上位層であり、なおかつ校内バイトやボランティアの授業外活動、さらに教授からの推薦状と自己推薦文のすべてをクリアしなければなりません。入学当初は新しい大学生活で戸惑うことが多くあり、編入学についても具体的に何をしたらよいかもよくわかってはいなかったため、編入は大きな目標であり、とても高いハードルでした。 でもそんな時に、とてもお世話になったのが、上級生や留学生オフィスのアドバイザーです。勉強のことから普段の生活までとても親身に相談にのってくれ、編入学に関しても具体的に何をしていったらよいかを丁寧に説明してくれました。そのアドバイスをもとに、クラスでの成績維持はもちろん、二年間たくさんの活動をしました。具体的には、数学チューター、新入生のピアメンター、留学生オフィスのアシスタントの三種類の校内バイトを経験し、学期間の休みの間には留学生向けの新入生オリエンテーションでのボランティア、サークルでは副部長をしました。もちろん、これらの活動ははじめからすぐできたわけではなく、一つひとつ自己推薦文を書き、面接を受け、いくつもの不合格をもらってからやっとできたものばかりです。日本語でもあまり経験のないことを英語でするのは大変でしたが、おかげで授業外での活動で多くの人と交流でき、英語力も上がりました。 その中でも特に私が学んだことは、アメリカでは自発的に行動しないと何も手に入らないということです。逆に言うと、積極的に自分から動けばやれること、学べることは無限大にあります。例えば、授業一つとっても教科書を一人で読むのも一つの勉強の仕方ですが、スタディグループをクラスメートと組んだり、オフィスアワーに教授に直接質問にいったりすることで学べることはさらに増えます。私はもともとあまり積極的に動くことが得意ではありませんでしたが、この大学での二年間を通して自発的に動くことの大切さが身に染みて分かりました。GRCでの学生生活も後半になると留学生オフィスでの仕事を通して留学生の中でもリーダー的活動を多くするようになり、授業面でも教授に評価してもらえるようになりました。また、その活動が評価されて学校から奨学金をもらうこともできました。これらの努力が実り、ウィスコンシン大学マディソン校とテキサス大学オースティン校からの合格通知をいただき、無事にGRCでの二年間を終えました。
現在在籍しているウィスコンシン大学マディソン校について
高校卒業から二年半後、ついに念願のアメリカ四年制大学の生徒になることができました。ウィスコンシン大学マディソン校は日本ではあまり知られていませんが、全米大学ランキングでは毎年上位に入っています。特に私の専攻の化学をはじめとする科学系や工学系のランキングはトップクラスで、他の有名大学と比べて授業料が低いのも魅力の一つです。日本での知名度はまだまだ低いので日本人は少ないですが、その分英語を学ぶ機会が多く、他国からの留学生との交流も深められます。授業もレベルが高く、生徒も勉強への姿勢が積極的で、特に京都大学をはじめとする有名大学からの日本人交換留学生や研究員生と交流することで、日々ウィスコンシン大学のレベルの高さを実感しています。また、この大学の特徴の一つとして、一つの街のような大学の大きさがあげられます。校内にはバスが走っており、学校の端から端まで歩くと足が痛くなるほどです。それぞれの建物も年期の入ったものから現代的なものまであり、キャンパスの美しさは自慢のひとつです。学生寮も充実しており、それぞれの寮のコミュニティを通して寮生どうしが交流を深めています。さらに校内には数か所に食堂があり、大きなものでは日本のフードコートよりも広く充実しています。週末には学生があちこちでパーティーをし、フットボールの試合のある日には校内がスクールカラーの赤色で埋め尽くされます。アメリカの学生ではよく言われることですが、ウィスコンシンの学生も朝から晩まで平日は勉強し、週末は思いっきり遊びます。学校が大きい分、学生生活も一人ひとり違い、勉強に勢力を注ぐ人、学生団体で活躍する人、教授と研究に専念する人とそれぞれで、自分のやりたいことを見つけて全力を注げる環境が整っているところがウィスコンシン大学の良さだと感じています。 また私は、この大学でも授業外に学生団体に参加しています。現在、積極的に活動しているのがウィスコンシン大学日本人会(Japanese Student Association, JSA)です。日本人会では校内で日本文化を広めるために学生向けイベントを頻繁に主催し、他の国の人にも日本文化も学んでもらえるよう活動しています。アメリカ中部という場所がら日本人がまだまだ少なく、より多くの日本人にウィスコンシン大学に興味をもってもらえるよう広報活動にも力を入れています。特に、JSAのホームページでは大学の情報掲示やブログでの大学生活の様子のアップデートをしています。ご興味のあるかたは是非ご覧ください。(https://jsauwmadisonorg.wordpress.com/)
海外進学を考えている人へ
ウィスコンシン大学卒業後はアメリカでの留学生活と化学専攻としての知識を生かして、化学系外資企業へ就職したいと思っています。アメリカ留学と聞くと英語の勉強と思いがちですが、私がこれまで留学を通して一番学んだことは自分の意志を持って積極的に行動することの重要さだと思います。常に自分が何をしたいか、何ができるかを考えて毎日生活することで、以前より圧倒的に真剣に自分自身と向き合うことができました。留学には国内で進学するより必然的に費用がかかりますが、私が経験してきたことはその額を払う価値のあるものでしたし、将来その経験に見合った仕事につけると信じています。留学をすることは日本人にとってとても大きな決断だと思います。この体験談を読んだことをきっかけに、みなさんも勇気を持って留学に向けて一歩踏み出してみてください!最後になりますが、留学する機会をあたえてくれた先生といつも応援してくれている両親と家族に感謝して、残り二年間のウィスコンシン大学での生活を満喫したいと思います。