アメリカ
現地に行って学びながら興味あることを見つけるのもありだと思います
Profile
A.H.さん
- 渡航先
- ニューヨーク州
- 在住都道府県
- 東京都
- 渡航時の学年
- 高校卒業後
大学に行くかどうかも迷った高校3年生時の進路選択
最初は普通に日本の大学に通うつもりでした。私は元々、人の歴史や社会に興味があり、その枠組みとなる法律を勉強しようと、法学部を志望していました。ただ、諸事情で親からは法学部を猛反対され、その進路をあきらめざるを得ない状況でした。 そんな中、「学びたいことも学べないのに大学に行ってどうしたらいいんだろう」と悩み、大学に行くことすらやめようと思ったこともありました。そのくらい自分の進路選択にはとても迷っていました。 転機が訪れたのは高3の秋。高校でたまたま海外進学に関するカウンセリングを受ける機会がありました。そこで紹介されたのがアメリカでのGeneral Studies(一般教養科目の総称)という考えです。コミカレなどの2年制大学でまずは専門を絞ることなくたくさんの幅広い学問を学び、学んでいる2年間で得意なものや興味がわいたものを見つけ、専門をもっと勉強したかったら4年制大学に3年次編入するといった進路の在り方です。それまでは日本のどこの大学のどこの学部に行くかをずっと考えていたので、このカウンセリングによって日本でよくある進路選択以外の選択肢をたくさん知ることができ、視野が広がった感覚がありました。そしてそれをきっかけに、高3の秋にようやく海外進学を決意しました。 そして3月に高校を卒業してしばらくはアルバイトや勉強をし、夏に渡米しました。
留学生にとって恵まれた現地での生活環境
私が通っていたHerkimer County Community Collegeは留学生向けのサポートがとても充実していて、過ごしやすかったのを覚えています。学校が校内の寮を手配してくれたのですが、そこには留学生が集まるような部屋があり、そこで生活の相談に乗ってくれるアドバイザーがいたり、勉強の面倒を見てくれるチューターがいたり…。とにかく留学生が迷ったらその部屋に行けばいいという場所で、生活面ではそんなにストレスなく学生生活を送れたと思います。 また、学ぶ環境もアットホームで非常によかったです。授業によっては、スピードが速くて講義中に理解が追い付かないものももちろんありました。ただ、先生たちは質問に行くと時間を割いてちゃんと丁寧に解説をしてくれるし、先生が忙しい時も後でオフィスで時間を設けてくれて説明をしてくれる方ばかりでした。「あとにして」と無視する冷たい先生は一人もいませんでした。その中でも印象的だったのは気象学の先生です。地元のテレビにキャスターとして出ているためか、とにかく説明がわかりやすいし、忙しそうな時も、あとでメールにて図解入りで丁寧に教えてくれたり。わからないことをわからないままにすることはほとんどなく、何かと留学生には優しいアットホームな大学だったと思います。 ほかにも、私が現地で意識していたのが、同じ日本人との距離の置き方です。実はこの学校を選んだ理由の一つにもなるのですが、できるだけ日本人のいない環境で英語に浸かりたいという思いがありました。講義を選ぶときも、簡単に単位をとれる授業は留学生が集まりやすく、それを避けて現地の人が多そうな授業をとることもよくありました。日本人が周りに多いと、慣れない海外生活では心強いのですが、語学の面を考えると、付き合い方によってはマイナスになってしまいます。なので、もちろんプライベートでは仲良くすべきですが、授業のときは距離を置いてできるだけ英語に触れるように意識することが大切だと思います。
Array
最初は4年制大学に編入するつもりでしたが、将来の就職を考えたときに、ふと、自分自身のこれまでの人生を振り返ることがありました。その時に思ったのが、「留学」って私の人生を大きく変えたイベントだなって。この海外進学の2年間だけでなく高校のころにも1年間留学していた私にとって、海外に行くことはとても大切な決断でした。だからこれを応援するような仕事に早くついて、今すぐにでも働きたいなと思いました。 さらに、どんな仕事をしたいか考えていた時に思い出したのが、自分が初めて海外に行った高校生の時の留学のことです。よくわからないままパスポートを取得したり、飛行機に乗ったりと、何から何まで初めてのことが多く、私は空港で怖くて泣いていました。その時、そんな私を見た空港のグラウンドスタッフの方が声をかけてくれました。私が持っていた飛行機のチケットの帰りが1年後だったのを見てグラウンドスタッフの人が「もしかして留学ですか?頑張ってください。また日本で待っていますね」と応援してくれたのを強く覚えています。そうして私は航空会社へ就職することを決意し、航空会社のWEBサイトへ行ってエントリーシート送りました。 また、今回就職をするに至ったのは、アメリカで触れた大学への考え方にも大きく影響しています。現地の大学では、学生は決して子供だけではなく、一度社会に出た人や主婦の人など、様々な方がいらっしゃいます。年齢とか立場とか関係ない社会なんだなと。それもあって、やりたい時にやりたいことをやろうと決意しました。今はそれが就職だっただけで、決して勉強への熱が冷めたわけではありません。これからもまた大学へ行って勉強したくなったなら、お金を貯めて大学へ行こうと思っています。
これから留学を考えている人へ
高校生の時って、まだ知らない知識や進路の選択肢も多いから、自分の興味やこれから学びたい学問も完ぺきにはわからないと思います。だから、高3の時に無理して興味を決めるくらいなら、私が得たアメリカでのGeneral Studiesの考え方のように、大学でまずは幅広く学び、そこで興味を見つけるのもありだと思っています。後悔のない進路選択を応援しています。